季刊2020年12月 冬号

but He was sleeping
 
                                                                                                                     牧師 山村諭
すると見よ。湖は大荒れとなり,舟は大波をかぶった。ところがイエスは眠って
おられた。     
マタイの福音書8章24節

イエスさまは眠っておられた
 
この秋に絵を買いました。牧師室に飾っています。作者は,ホンダマモル氏。
高校時代からの信仰の友で,同盟教団の牧師でもあった彼は,今,アーティスト
として活動しています。年に2回,個展を開いています。この絵に心が動かされ,
慰めを与えられました。


 
彼の作品には「ストーリー」がつけられていて,このようなことばが添えられ
ています。
        イエスさまは舟の上
    大風と荒波のなかで眠っておられた
  そしてことばひとつで 嵐を静めてしまった
          これはもう
        この方のそばにいれば
     なにがあっても大丈夫ということだ

 コロナ禍の2020年,世界中が大風と荒波に翻弄されています。あらゆる所で,
共に集うこと,共に食すること,共に歌うことが制限され,学校も職場も急激な
変化の中にあります。教会もこれまで通りには活動できない状況です。何よりも
共に集まること,共に歌い,共に主の聖餐に与ることを大切にしてきた私たち教
会にとって,今は試練の時です。教会の交わりがバラバラになってしまうかのよ
うな思いにもなりました。
 大荒れの湖に浮かぶ小舟は,今にも転覆しそうに思えます。しかしイエスさま
は,その舟の上で眠っておられるのです。大風も荒波もイエスさまの安眠を妨げ
る恐怖や不安とはならないのです。
 必死に舟を操ろうとする弟子たちは,荒波に翻弄されながら,「主よ,助けて
ください。私たちは死んでしまいます」と叫びました。私たちにも弟子たちと同
じ叫びがあるかもしれません。

ことばひとつで嵐を静めてしまった
 しかし主は「どうして怖がるのか」と言われ,起き上がると,風と湖を叱りつ
け,嵐を静めてしまいました。弟子たちには手に負えないことでしたが,神であ
る御子イエスに不可能はありません。天地を造られた神は,今のこの時も治めて
おられます。

この方のそばにいれば大丈夫
 イエスさまが,荒波に翻弄される私たちと共におられます。この方は「インマ
ヌエル」(神が私たちとともにおられる)という名前で呼ばれるお方です。どの
ような時にも神がともにいてくださるのです。「この方のそばにいれば なにが
あっても大丈夫」。大丈夫なのです。忍耐の時は続きますが,この方のそばにい
れば大丈夫です。主の祝福がありますように。