【高慢と謙遜・2】(箴言6章16節〜19節)
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                           牧師 熊谷徹
 
1.サタンは元々は知恵と美に満ちた天使でした。「暁の子」とも「明けの
明星」とも呼ばれる程すぐれた天使でした。しかし、「彼の心は自分の美し
さに高ぶり、その輝きのために自分の知恵を腐らせてしまいました」。おご
り高ぶった彼は、自分の上に「神」がいるということを不満に思い、神を妬
みました。そして、「この自分が天に上り、いと高き神のようになろう!」
と心に決めたのです。しかし神は、それ程までに高慢になった彼の心を見抜
き、彼を裁いて天から追放してしまいました。彼が、罪に堕ちた天使・サタ
ンです。このようにサタンの起源は、「天に上り、いと高き神のようになろ
う」という傲慢な驕り高ぶりにあったのです。

2.さて、堕天使となったサタンは、自分と同類の仲間と手下が欲しくなり
ました。そこでサタンは、自分が持つ「高慢・傲慢」という性質を人間の心
に忍び込ませることにしました。それを描いたのが創世記3章の記事です。
エデンの園に忍び込んだサタンは、人間の心にささやきました;「あの木の
実を食べると、神のようになれるのだよ」と。この言葉に誘惑されて、人間
は禁断の木の実を食べてしまいました。それ以来、すべての人の心のうちに、
「高慢」という思いが住みつくようになったのです。生まれながらの人間に
は「神のようになりたい!」という願望が潜んでおり、富や権力を手に入れ
てことごとくを自分の支配下に置いてみたい、さらには、神さえも自分の意
のままにしてみたいという密かな欲望がありますが、「そうした欲望の根源
はサタンなのだ」と聖書は教えているのです。

3.このように、「高慢・高ぶり」はサタン的起源を持つものでありますか
ら、神はこれを非常に嫌われます。箴言6章16節〜19節は次のように告
げています;「の憎むものが六つある。いや、主ご自身の忌みきらうもの
が七つある。高ぶる目、偽りの舌、罪のない者の血を流す手、邪悪な計画を
細工する心、悪へ走るに速い足、まやかしを吹聴する偽りの証人、兄弟の間
に争いを引き起こす者」(新改訳)。主が「憎み、忌みきらうもの」の筆頭
に「驕り高ぶる目」(新共同訳)が挙げられているのです。それ程、「驕り
・高ぶり・高慢」 は、神が「憎み、忌み嫌うもの」なのです。(つづく)
               
−茅ヶ崎同盟教会月報 2006年3月号より−