【慰め主・助け主】(ヨハネの福音書14章16〜17節)
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                           牧師 熊谷徹
 
キリストは「最後の晩餐」の席で、「自分は間もなく世を去って行く」と
告げた後、こう言われました;「また私は父に願おう。すると彼はあなた方
にもう一人のバラクレートスを与えるであろう。彼がいつまでもあなた方と
共にいるために。」(ヨハネの福音書14章16節;私訳)。

 「もう一人のパラクレートス」とは「聖霊」のことですが、「パラクレー
トス」は「パラカレオー(そばに呼ぶ)」という意味の動詞から来た言葉で
「そばに呼び寄せられた人」を意味します。

 たとえば、道端で倒れて困っている人がいたとします。現代なら救急車と
救急隊員が助けに呼び寄せられます。そのように、助けを求めている人を助
けるために「そばに呼び寄せられた人]、それが「パラクレートス」です。
そこでこの言葉は「助け主」(口語訳・新改訳)という意味になります。あ
るいは、法廷で被告人の弁護のために「呼び寄せられる人]がいます。現代
で言えば「弁護士」のような人がこの「パラクレートス」です。それでこの
言葉は「弁護者」(新共同訳)という意味になります。
 また「パラクレートス」は、落ち込んでいる人を励ましたり慰めたりする
ために「そばに呼び寄せられた人」でもあります。そこで「慰める人;励ま
す人」という意味になります。英語欽定訳聖書は「慰め主」と訳しています。
現代の英語訳聖書では、「カウンセラー」とか「ヘルパー」などとも訳され
ています。その他にも、「そばにいてくれる人;味方になってくれる人;保
護者;サポーター」という翻訳もあります。

 以上のように、「パラクレートス]は、「助け主」であり「弁護人」であ
り「慰め主」であり「カウンセラー」であり「味方」であり「保護者」でも
ある、そういう広く深い意味内容を持つ言葉なのです。

 キリストは聖霊を「もう一人のパラクレートス]と呼ばれました。聖霊は
あなたの「パラクレートス」です。聖霊はいつもあなたの「そばに居て下さ
るお方」です。聖霊は、あなたを助け・励まし・慰めて下さる、あなたの
「助け主・慰め主」なのです!

               
−茅ヶ崎同盟教会月報 2006年7月号より−