先立って進まれる主に従い
 
                                                                                                                     牧師 山村諭
主ご自身があなたに先立って進まれる。主があなたとともにおられる。
主はあなたを見放さず,あなたを見捨てない。恐れてはならない。おの
のいてはならない。                                         
申命記31章8節


不安や恐れに直面して
 春は進級進学,就職,異動など,生活環境の変化が大きい時だと思いま礼難しい課題や,より重い責任
を担うことになり,戸惑いや緊張感を覚えながら,春の日々を過ごした方もあるでしょう。これまでとは
違う新しい環境に一歩踏み出す時,だれしも不安と向き合っていると思います。
 結果が予測できないこと,相手の反応が分からないこと,自分の対応に自信をもてないことなど,不安
の要因は様々だと思います。初めての経験や新しい出会いに不安や恐れは付きものです。思いもよらない
状況に置かれて不安になることもしぱしば。私たちの人生は恐れやおののきと隣合わせです。そのような
私たちのために,聖書は神への信頼と励ましを語りかけています。

主ご自身があなたに先立って進まれる
 冒頭の聖書の言葉は,古代イスラエルの指導者モーセが後継者であるヨシュアに語った言葉です。モー
セはイスラエルの民をエジプトから脱出させ,荒野の40年を導いてきた偉大なリーダーです。民の不平不
満を聞きながら神の導きを求めて謙遜に仕え続けました。約束の地の目前まできましたが, 120歳になった
モーセはそこに入ることができませんでした。神はその役を次世代のリーダーであるヨシュアに任せたの
です。ヨシュアはイスラエルの民を率いて約束の地を自指さねばなりません。行く手には多くの困難が待
ち構えています。神への信頼を見失いやすいイスラエルの民に神の目的を告げ,悔い改めを求め,神の民
として奮い立たせるのもリーダーの務めです。ヨシュアはのしかかる重荷を前に,恐れ,おののいたこと
でしょう。
 モーセは全イスラエルの前でヨシュアに語りました。「強くあれ,雄々しくあれ。主がこの民の父祖た
ちに与えると誓われた地に,彼らとともに入るのはあなたであり,それを彼らに受け継がせるのもあなた
である。主ご自身があなたに先立って進まれる。主があなたとともにおられる。」
 ヨシュアは民を導き上る務めに立たされましたが,その歩みには主が先立っておられました。主がとも
におられ,見放さず,見捨てないとの確かな約束がモーセを通して与えられました。

私たちの進む道にも

 モーセと共におられ,ヨシュアと共に歩まれた主は,私たちの人生にも伴ってくださいます。恐れや不安
に囲まれて,逃げだし,投げだしたくなる道があるかもしれません,でも御言葉は語りかけます。先立って
進んでくださる主がおられると。神はいつも私たちと共におられ,見放さず,見捨てることなく,歩みを導
いてくださいます。
 創立60周年を迎える私たちの教会は,将来の教会堂のあり方を巡って検討を始めます。この教会の歩みも,
主が先立って進んでくださることを信じて,期待しつつ取り組んで参りましょう。