力衰えず,疲れず,翼を広げて
 
                                                                                                                     牧師 山村諭
しかし,主を待ち望む者は新しく力を得,鷲のように,翼を広げて上ることができる。走っても力衰えず,歩いても疲れない。   イザヤ40章31節

教会創立60周年を記念して
 11月17日,教会創立60周年特別礼拝として徳丸町キリスト教会の朝岡勝先生をお招きして,午前の礼拝では「愛の記念」と題して,マルコ14章1〜9節よりみ言葉を聞きました。高価なナルドの壺を割って主イエスに香油を注いだ女がしたことを,主イエスは「良いこと」と受け止め,「自分にできることをした」と評価し,世界中で「記念として語られる」と称賛されました。人の目には無駄とも映ったその女性の行為は,主イエスによって愛の献身と受け止められました。私たちの教会の60年に及ぶ歩みの中にも,そのような愛の献身が献げられてきたことを覚え,御名を崇める特別礼拝となりました。
 午後の教会セミナーでは「教会に生きる喜び」をテーマに徳丸町キリスト教会で朝岡先生が教会の方々と大切に取り組んで来られたことが分かち合われました。礼拝,説教,教育,伝道,奉仕,子どもたち若者たちと生きること,これらを大切に取り組む中で味わう「教会に生きる喜び」は実感からすると「教会のための苦しみ」であると語られました。労苦も忍耐も犠牲も伴う中であっても,なお味わうことができる喜びが「教会に生きる喜び」であることを教えられました。真実な神さまの恵みの中を歩ませていただける幸いを噛みしめました。茅ヶ崎同盟教会に連なる私たちもこの「喜び」の中を生きるお互いであることを受け止める時になったと思います。

60年を振り返って改めて
 その感動の余韻が残る木曜日の聖書の学びと祈り会では,ある姉妹が60年を改めて振り返って証しをしてくださいました。家庭集会から始まった教会創立に至る歩みの中に,主を信じる兄弟姉妹の愛の献身があったことを改めて覚える時となりました。杖をついて家々に福音を告げ,持てるものを大胆に献げて教会に仕え,忍耐と犠牲を払いながら喜びをもって主の教会を建て上げてきた信仰の歩みがありました。

力衰えず,疲れず,翼を広げて
 それらの良きことを記念しつつ,改めて決意したいのは,これからも主に堅く立って,愛の献身に生きるということです。60歳になってますます元気に喜びに溢れて福音に生きる教会でありたいのです。かつての良きことを懐かしみながら,力衰え,疲れ果て,あきらめてしまうようなことがあってはなりません。

 年間聖句として掲げたみ言葉は,旧約の昔に語られたことばですが,いつの時代にも新しい響きをもって約束を告げています。主を待ち望み,主に信頼する者たちは,いつも新しい力をいただいて,力衰えず,疲れず,翼を広げて上ることができるのです。
 この記念の時に定める教会理念は,主を待ち望み約束に生きる私たち教会が,神さまの恵みにしっかりと立ち続け,一つとなって歩むための決意のことばです。これからも主に期待して大胆に歩んで参りましょう。