茅ヶ崎同盟教会たより 2013年6月


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に信頼して、善を行え。
地に住み、誠実を養え。(詩篇37篇3節)
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詩篇37篇は表題に「ダビデによる」とある。ダビデが波乱万丈の人生を振り返って作った晩年の詩と思われる。その冒頭の句は「悪を行う者に対して腹を立てるな。不正を行う者に対してねたみを起こすな」。理不尽な仕打ちに耐え、幾多の試練を潜り抜けて来た彼ならではの人生訓である。カール・ヒルティは『幸福論』や『眠られぬ夜のために』の中でしばしばこの詩を引用している。彼はこの詩を「経験ゆたかな詩人の与えるまことの慰めの歌」と呼ぶ。

悪に負けずに「善を行え」とダビデは言う。「善を行うのに飽いてはいけません。失望せずにいれば、時期が来て、刈り取ることになります」(聖書)。詩人は「誠実を養え」と言う。人間にとって最も大切な徳、人として最も重要な品格は「誠実(まこと)」である。「地に住め」とは試練に満ちた地上の現実生活から逃避するなということであろう。そしてこれら三つのことを可能にするのが「主に信頼して」生きることである。あなたを愛し見守っておられる主なる神がおられる。そのお方に信頼して人生を歩もうではないか。(牧師 熊谷徹)