======================== 私は肉体においては離れていても,霊においてはあなたがたとともにいて,あなたがたの秩序と,キリストに対する堅い信仰を見て喜んでいます。 新約聖書コロサイ人への手紙2章 5節 ======================== ●9月になっても厳しい残暑が続いていますが,空を見上げると高く澄み渡った秋の空を見ることもあります。新型コロナ対策と熱中症警戒で,いつも以上に疲労した夏だったのではないでしょうか。 ●帰省もできず,会食も制約され,和気あいあいとコミュニケーションをとれない状況に寂しさも覚えます。そんな中,「不在」の意味を考えさせる言葉に出会いました。カウンセリングの専門家でもある堀肇牧師はこう言います。「本当に良い関係は存在と不在の相互作用の中で出て来るものだと思います」。 ●堀牧師は家族カウンセリングの中で,親御さんに「心理的,物理的に少し離れ,かつ温かく接してください」と勧めることがあるそうです。一時的に「共にいない」ことによって,日常を静かに振り返り,祈りが深められ,対人感情も温かく優しくなっていくのを感じることがあるそうです。 ●パウロはコロサイ教会への手紙で「肉体においては離れていても,霊においてはあなたがたとともにいて・・・喜んでいます」と書き送りました。離れた所から相手を深く思い祈る中で,不在であっても共にいることができるのです。 ●「密」を避けながら,「親密」を求める様々な知恵や工夫が求められる中,「不在」の積極的な意味にも目を向けたいと思います。 牧師 山村諭 |