Research Picks 注目の最新論文

 
 
Research Picksでは、近年創刊したNature Researchジャーナルに出版された最新の論文の中から、世界的に話題となった論文や日本からの論文をご紹介します。毎号、掲載されるジャーナルは様々です。
 
 
 
Nature Cancer 日本語サイト
 
© Shubhangi Ganeshrao Kene/SPL/Getty
 
 
L1CAMは大腸がんにおける転移開始細胞の再生関連起源を特徴付ける
L1CAM陽性の細胞集団によって、上皮完全性の喪失後に腸組織の再生が促され、大腸がんでの転移開始と化学療法抵抗性が仲介されることが明らかになった。
Article | 13 January 2020
Karuna Ganesh, Harihar Basnet et al.
 
 
 
 
ユビキチンタンパク質分解系の変化の体系的解析から、この系ががんのドライバー変異に関与することが明らかになった
F Martínez-Jiménezたちは、ユビキチン–プロテアソーム系の破壊が、がんにどのように影響を及ぼすかを報告している。ドライバー変異の10%以上が、E3リガーゼ群やそれらの標的をはじめとした、ユビキチンを介するタンパク質分解に関連した遺伝子の変化を含むと、彼らは推定している。
Analysis | 02 December 2019
Francisco Martínez-Jiménez, Ferran Muiños et al.
 
 
 
Nature Food  日本語サイト
 
 
 
肥満と糖尿病に関する世界的危機を軽減するための食生活と政策の優先順位
肥満や2型糖尿病を抑制するための食事法や政策的アプローチは、議論を引き起こしたり混乱を招いたりすることがある。ここでは、食生活と健康に関する最先端の新たな証拠を統合し、政策について検討し、栄養科学分野の進化と食生活に対するアドバイスの変化の整合性を図っている。
Review Article | 13 January 2020
Dariush Mozaffarian
 
 
 
人間の食事の化学的な複雑さはマッピングされていない
機械学習などの進歩により、食品をあらゆる生化学的角度から系統的に研究することが可能になると考えられる。栄養学の「未知の物質」を明らかにすれば、私たちが食べているものの組成と、それが健康や疾患にどのように関わっているのかをより深く理解するための新たな道が開かれる可能性がある。
Perspective | 09 December 2019
Albert-László Barabási, Giulia Menichetti & Joseph Loscalzo
 
 
 
Nature Metabolism 日本語サイト
 
 
 
セリンラセミ化酵素はセリンからピルビン酸を生成することにより大腸がんの増殖を促進する
セリンをピルビン酸とアンモニアに変換するセリンラセミ化酵素が、大腸がんの増殖を支えることが分かった。このことから、がん細胞が細胞のピルビン酸レベルとミトコンドリア量を維持するために用いる新しい戦略が明らかになった。
Article | 13 January 2020
Kenji Ohshima, Satoshi Nojima et al.
 
 
 
ケトン生成は内臓脂肪組織において代謝保護的なγδT細胞を活性化する
ケトン食は、低炭水化物で高脂肪の食事であり、代謝を脂肪酸酸化へ切り替える。Goldbergたちは今回、ケトン食が最初は代謝的な健康状態を改善し、肥満の際の血糖管理に重要な脂肪組織γδT細胞を増殖させることを示した。
Article | 20 January 2020
Emily L. Goldberg, Irina Shchukina et al.
 
 
 
Nature Machine Intelligence 日本語サイト
 
 
 
タンパク質の金属結合部位での疾患関連変異をディープラーニングを用いて予測
金属はタンパク質に結合することで重要な生物学的機能を果たすことができる。そのため、変異が生じた結合部位の特性を予測することは、特定の変異と、その変異が疾患において果たす役割との関係を理解する助けとなる。
Article | 09 December 2019
Mohamad Koohi-Moghadam, Haibo Wang et al.
 
 
 
ストップワード同定のための普遍的な情報理論アプローチ
自然言語からよりよく意味を抽出するために、モデルを訓練する前に情報の少ない単語を取り除くことがあるが、それは通常、人力でキュレートしたストップワードリストを用いて行われる。新しい情報理論アプローチでは、情報の少ない単語を自動的かつより正確に同定することができる。
Article | 02 December 2019
Martin Gerlach, Hanyu Shi & Luís A. Nunes Amaral
 
 
 
Nature Sustainability 日本語サイト
 
 
 
米国の石炭から天然ガスへの移行が下流の大気汚染に及ぼす影響
近年、米国の発電用資源が石炭から天然ガスに移行したことにより発電に伴う二酸化炭素排出原単位が減少したが、こうした変化がその他の汚染にどのような影響を及ぼしたかのはわかっていない。本研究で、2005年から2016年までに米国本土の石炭火力発電所が廃止されたことにより、近隣地域の26,610人の命が救われ、トウモロコシ、ダイズ、コムギの収穫量が5億7000万ブッシェル増えたと見積もられ、地域の気候も変化したことが明らかになった。
Analysis | 06 January 2020
Jennifer A. Burney
 
 
 
地球の4つのプラネタリー・バウンダリーを超えることなく100億人に食料を供給することは可能
農業は地球を変容させ、健康な惑星の限界を超えさせるおそれがある。本研究により、淡水の利用については現在の食料生産の約半分でそうした限界を超えてしまうが、より持続可能な生産と消費に向けた変容は102億人を支えられることが明らかになった。
Article | 20 January 2020
Dieter Gerten, Vera Heck et al.
 
 
 
Nature Electronics 日本語サイト
 
 
 
アナログニューロモーフィックコンピューティング向けの低消費電力メムリスター動作モードを用いた二端子浮遊ゲートトランジスター
商用の180nmCMOSプロセスで作製された浮遊ゲートメムリスターデバイスを集積してセレクターのないメムリスターアレイにし、基本的なニューロモーフィック用途の実証に使用することができる。
Article | 09 December 2019
Loai Danial, Evgeny Pikhay et al.
 
 
 
強誘電半導体電界効果トランジスター
二次元強誘電半導体α- In2Se3をチャネル材料とする強誘電半導体電界効果トランジスターは、不揮発性メモリーへの用途において、従来型の強誘電体電界効果トランジスターより高い能力を提供できる可能性がある。
Article | 09 December 2019
Mengwei Si, Atanu K. Saha et al.
 
 
 
Nature Catalysis 日本語サイト
 
 
 
熱反応系の限界を超える天然ガスの光触媒的アップヒル変換
メタンの触媒的ドライリフォーミングは、将来性があるにもかかわらず、熱エネルギーを多く必要とするため、まだ実用化に至っていない。本論文では、光照射のみでシンガスを生成できるチタン酸ストロンチウム担持ロジウムナノ粒子を用いた光触媒的方法が提示されている。
Article | 27 January 2020
Shusaku Shoji, Xiaobo Peng et al.
 
 
 
Saccharomyces cerevisiaeの多面的操作による中鎖脂肪酸の高効率合成
中鎖脂肪酸(MCFA; C6–C12)は油脂化学産業やバイオ燃料産業において有用な分子であるが、MCFAには細胞毒性があるため、微生物によるMCFAの高効率生産は困難である。本論文では、酵母を複数レベルで系統的に操作することによって、細胞外MCFAの生産量を1 g l−1を超えるまでに増大させている。
Article | 20 January 2020
Zhiwei Zhu, Yating Hu et al.
 
 
 
Nature Reviews Earth and Environment 日本語サイト
 
 
 
地震の科学で社会を強く
地震直後に危険性を伝えることは、脆弱な社会がさらに被害を被ることを防ぐために有用な情報を提供できる可能性がある。このことは、科学者が、知らないことに焦点を当てるのではなく、地震と地震の危険性について知っていることを伝えられれば最も効果的となる。
Comment | 13 January 2020
Lucile M. Jones
 
 
 
 
海水面上昇と人類の移動
海水面上昇は、直接的な氾濫と関連する災害にさらされる危険の増加により数百万の人々に移住の脅威を与えている。この報告では、海水面上昇に関連した移住の危機にある人口に焦点をあて、移住の決断に影響を及ぼす個人および制度上の要因を論じる。
Review Article | 09 December 2019
Mathew E. Hauer, Elizabeth Fussell et al.
 
 
 
Communications Biology 日本語サイト
 
 
 
進化的に保存された鉄-硫黄クラスターはCSK(Chloroplast Sensor Kinase)の酸化還元シグナルを感知する機能の基盤である
Ibrahimたちは、シロイヌナズナ(Arabidopsis)および珪藻であるPhaeodactylumのCSK(Chloroplast Sensor Kinase)と、シアノバクテリアのCSKホモログであるヒスチジンキナーゼ2が、鉄-硫黄タンパク質であることを示した。この研究から、葉緑体のCSKを基盤とする二成分系がプラストキノン酸化還元シグナルを感知および伝達する仕組みについて手掛かりが得られた。
Article | 08 January 2020 | Open Access
Iskander M. Ibrahim, Huan Wu et al.
 
 
 
 
マウスの確定論的タスクでは選択のばらつきが適応的に生じる 
Marwen Belkainたちは、意思決定過程でのばらつきを研究するために、確定論的タスクを開発した。マウスでは、効果的な意思決定戦略として、行動のばらつきが生じていることが分かり、環境統計データとは独立にランダムな決定を行う、脳の能力が明らかになった。
Article | 21 January 2020 | Open Access
Marwen Belkaid, Elise Bousseyrol et al.